純様からのコメントブッチ様からのコメント
翔華様、1723ゲットおめでとうございます& ありがとうございましたvv
 差し上げるのが大変遅くなってしまって申し訳ないです(>_<)
 しかも連載だなんてワガママ言って本当にごめんなさい〜〜;;
 オッケーしてくれてありがとうでした!
 いつテーマの『嘘』が出てくるのかお楽しみに・・・(笑)
 それでは今後もよろしくお願いします♪♪
翔華様からのリクでブッチが嘘の内容で 純が本文を担当しました。
今回の嘘を考えるのはとても楽しかったです♪
これから純が本文を連載していくようですが、
私も個人的にすごく楽しみだったりします(^-^)
キリ番ゲットして下さった翔華様、
素敵なリクまことにありがとうございました〜☆

純様とブッチ様へのお礼の言葉
ブッチ様に純様、このたびはこのような素敵なものをありがとうございます!!
ブッチ様には「誰が、どのようなうそをつくか」を考えていただき、
純様にそれを小説にしてもらうなんていう、
無体なリクの仕方で申し訳ございません(>_<)
にもかかわらず、連載にしてくださるなんてvvv
うれしくて、飛び跳ねております。
今の段階では、どのような嘘か分からないのですが、
とても楽しみにさせていただいてます♪
がんばってください!!
そして、最後にもう一度、本当にありがとうございます!

ではでは、素敵な世界を一緒に満喫しましょう!

『泡沫の恋』〜プロローグ〜
いつの記憶だったか・・・。 しんしんと雪が降っていた。無音の空間に闇が漂う。  魂までが凍えそうな冬の日の夜だった。 男は先刻からある一点を見つめたまま立ち尽くしている。 視線の先には人影があった。 少年が独り、コートも着ないで公園の片隅に寂しく膝を抱えて蹲っている。 震える腕に押しつけた頬はひどく引きつれていた。微かに嗚咽が聞こえる。 泣いているようだった。 蒼白な頬が、少年がもう随分長い間そこにいたということを物語る。 風が吹き抜けていく。積もった粉雪がふたりの間に舞い上がり、宙を彷徨う。 瞬間遮られる。 男は目を瞠った。 ふと少年が顔を上げ、こちらを見たのだ。―――射るような眼差しだった。 涙に濡れた双眸は、思っていたほどの弱々しさのカケラもない。 ふたつの眼に渾身の力を込めて睨みつけてくる。 その瞳は視線だけでこちらを拒絶していた。 だが男は眼を逸らさない。否、逸らせなかった。 身体が金縛りにでもあったかのように動かない。 雪がひどくなってきた。 少年は不意に視線を逸らすと、立ち上がって小走りに駆け出した。 男は呆然とそれを見守った。やがて少年の姿が完全に見えなくなってしまっても、男はまだ動けない。 まるで足に根でも生えたようだ。 苦しげに眉根を絞り、凍える闇に白い溜息を吐く。 じっと目を伏せると、少年の姿がまだハッキリとまぶたに焼き付いていてしばらくは消えなかった。 忘れられない記憶の断片・・・。       ◇◆◇◆ すっかりクリスマスカラーに彩られた街並みを横目に、美弥は胸を弾ませて、 手のひらに大事そうに包み込んだプレゼントを時折ちらちらと嬉しそうに眺めていた。 誰かを待っているのか、先ほどから公園のベンチに座ったままだ。 今夜はクリスマス・イブ。 けれど美弥は彼氏を待っているわけではない。 もう年頃で人並み以上に可愛い美弥に彼氏がいないのは不思議だと、 学校の友達にもさんざん言われたが、美弥は別に欲しいとは思わなかった。 彼氏なんかよりも、彼女にとっては大事な存在がいたから。 クリスマスという一大イベントに側にいて欲しいのは、美弥にとっては誰よりも大切な兄の高耶だった。 ブラコンと呼ばれても構わない。むしろ本当のことだから否定する必要もないと思う。 大好きな兄はいつも自分に優しかった。苦しい時も辛い時も、必ず側にいてくれた。 今や自分にとってたった一人の家族である高耶の存在は、美弥にとっては決して失えない兄妹以上のものであった。 「お兄ちゃんまだかなー」 寒さで紅潮した頬にかじかむ手を擦り合わせながら、なかなか現れない兄に少々ふくれてみる。 だけどたぶん、バイトが長引いているのだろう。責める気は毛頭なかった。 今夜も、せっかくのクリスマスだからと、高耶はいつも入っているバイトをわざわざ抜けて、 先月入った給料分で夕食をご馳走してくれるのだという。 美弥は兄の好意が嬉しくて、一ヶ月も前からこの日を待ちわびていた。 数年前に両親が交通事故で亡くなってから、ずっと二人きりで生きてきた。 高耶はいつも笑顔で、辛さなど微塵も見せたことはなかったが、その裏でどんなに苦しい思いをしていたか。 その苦労は想像しても痛々しくなる程だった。 だから今日はそんな日頃の感謝を込めて、少ない小遣いで必死に貯めて買ったプレゼントを渡すつもりでいる。 いつもありがとう、ととびきりの笑顔で―――。 「はやく。はやく来て、お兄ちゃん」 ドキドキ弾む胸を抑えて、美弥は夜空を見上げた。そのとき。 「こんなところで何してんの?一人?」 わざとらしく金髪に染めた長髪の男が、急に美弥に声をかけてきた。 ナンパだと一瞬で分かった。 「・・・・・・」 美弥はあからさまに迷惑な顔をして見せたが、相手はこんなことではへこたれないらしい。 しつこく言い寄ってきた。 「誰かと待ち合わせしてんの?あ、もしかしてすっぽかされた?」 ヘラヘラと顔を寄せてくる男に嫌悪感が込み上げてきて、美弥はベンチから素早く立ち上がると逃げ出した。 「! オイ待てよ!」 男はなおも追いかけてくる。怖くなって美弥は必死に走った。 だが男の足から逃げられる筈もなく、あっけなく腕を掴まれてしまう。 美弥の口から悲鳴が上がる。男はそれに興奮したのか、無理矢理体を引き寄せると自分の腕に抱きこんだ。 そのまま繁みの方へと引き摺っていく。 あまりの恐怖に美弥は狂ったように喚いた。 「ヤダーー!助けてお兄ちゃん!お兄ちゃん――!!」 「うるせぇ!静かにしろ!」 地面に倒されて上から重い体が覆い被さってくる。美弥は真っ青になって力の限り抵抗する。 恐怖に涙が溢れ、悲鳴は無残に嗄れた。 男は美弥を黙らせるために、感情のままに頬を殴りつけた。 その拍子に、美弥は側にあった拳大の石に後頭部をしたたかに打ち付けてしまった。 激痛に意識が遠くなる。 美弥は手のひらに握っていた高耶へのプレゼントを縋るように見つめた。 綺麗なラッピングがくしゃくしゃになってしまった。 「お・・・にい・・・ちゃ・・・」 涙で視界がかすむ。 男は薄気味悪くニヤリと笑むと、力任せに美弥のコートの前を引き千切った。 「!」 だが。 行為に及ぶ間もなく、男は急に横向きに吹っ飛んでしまったのだ。 ゆうに1メートルは吹っ飛ばされて、男はぐしゃりと地面に叩きつけられ倒れ込む。 「大丈夫ですか?!」 不意に耳に男のもの以外の声が割り込んできた。 美弥は朦朧とした頭で、声のした方に目を遣る。 (だ・・・れ・・・) 「しっかりしてください!もう大丈夫ですから」 逞しい腕に抱き起こされる。どうやら助けてくれたのか――。 おぼろげにそう思って、美弥は相手の顔を見上げた。 霞む視界に優しそうな鳶色の瞳が映る。思わずホッとして、力なく頷く。 気を抜いたその瞬間、美弥は意識を失ってしまった。 「ってぇ・・・。何なんだよてめぇ、邪魔しやがって!」 うめき声をあげて男はのそのそ起き上がり、自分を殴りつけた相手を睨みつける。 直江は冷ややかに男を見やると、侮蔑を込めて言い放った。 「馬鹿なことを。大人しく警察に行ってこの少女を傷つけた罪を償え」 「ふ・・・ざけんじゃねぇ!まずはテメーから殺ってやんぜ!」 男は先ほど吹っ飛ばされたことも忘れ、逆上した頭で突進してくる。 直江は美弥を庇いながら、今度は容赦なく胸倉を掴み、男の顔面を殴りつけた。 「ぐふっ」 激しい眩暈とともに、男の鼻から大量に血が流れる。 それを見て怖気づいたのか、男は目を剥いて後退った。 こちらを見据える直江の眼はどこか冷酷さを帯びていて、男はごくりと唾を飲み込む。 これは相手が悪すぎる――そう思ったのか、男はそのまま一目散に逃げ出してしまった。 後を追おうかと思ったが、今は美弥の方が心配だ。直江は慌てて美弥を抱き起こす。 完全に気を失っていた。だが目立った怪我も見当たらない。 ふぅ、と息をついて、直江は懐から携帯電話を取り出し、急いで救急車を呼んだ。                  ◇◆◇◆ 閑散とした病院の廊下にも、小さなクリスマスツリーが飾ってあった。 そういえば今日はクリスマス・イブだったのだ。 (こんな日にあんな目に遭うとは、不運としか言いようがないな) 直江は救急車から付き添ってきた少女のことを思う。 幸い後頭部を切っただけで済んだらしいが、頭は怖い。 また後日精密検査をすると医師が言っていたが、ここからは自分の口出すことではない。 もうすぐ少女の家族がやって来るだろう。 直江は病院を出ると、タクシーを捕まえて足早に乗り込んだ。 今日はまだこれから行くところがあった。 再び携帯電話を取り出し、2、3何事かを伝えると、直江は運転手に都内の高級ホテルへ行くように伝えた。 「クリスマス・イブに見合いとは、な・・・」 苦い溜息のかわりにタバコを取り出し、火を点ける。 吐き出した紫煙がゆっくりと車内に立ち上っていく。 タクシーの窓から見える街並みのクリスマスカラーの色彩が、なぜかこの時直江には妙に滑稽に思えた。 直江とほぼ入れ替わるようにして、顔面蒼白にした高耶が病院に到着したのは、その直後のことだった。                  ◇◆◇◆ 永い夜だった。 指先が凍るように冷たい。頭から爪の先まで冷えきっているようで、身体に温かみが一切感じられなかった。 だが脳は憤りと怒りで煮え滾っている。 爪が肌を食い破るくらいに拳を握りしめ、込み上げてくる震えを必死に堪える。 寒さからではない。目の前に在る現実からだと高耶は自覚していた。 ―――美弥が襲われた。犯人は逃走したまま未だ捕まっていない。 幸い未遂で、頭部を石で切っただけで済んだ――― そう医者から聞かされたが、何が幸い? 何がもう安心です、だ! 美弥はこんな目に遭わされたのに! 絶対に許さない。 オレの大事な妹を、自分よりも大切にしてきた美弥をこんな目にあわせた男。絶対に許さない――! 目いっぱいに見開かれた高耶の瞳はあきらかに殺気立っていた。 眠っている美弥の小さな手を包み込み、守るようにベッドに付き添っている。もう真夜中になっていた。 白い病室にやけに息が詰まる。美弥の額に痛々しく巻かれた包帯を見つめていると、ひどい圧迫感が胸を抉った。 「・・・・・・」 苦しくて直視していられなくて、高耶は俯いた。 犯人は許せない。だけど、自分が約束の時間にちゃんと着いていれば、こんなことにはならなかったんじゃないか。 いや、絶対ならなかったはずだ。 店長にいくら頼み込まれても、無視してバイトを抜け出して来れば、今美弥はこんなところにはいなかったのに。 「オレの・・・せいだ」 高耶はきつく眉を寄せ、かたく目を閉じる。 オレのせいだ。もっと早くに着いていればこんなことにはならなかったのに。絶対ならなかったのに・・・! どうしたらいいか、何をしてやればいいか、自分はただ美弥に付き添ってやることしか出来ないのか。 混乱する。頭がぐちゃぐちゃになる。 誰を責めたらいいのかすら分からなくなる。自分か犯人か。いや両方か。見定める先が不安になってくる。 唯一分かるのは苦しいばかりの真実だけだ。 ふと、高耶が目線をベッドサイドへ傾けると、そこにラッピングがくしゃくしゃになってしまった包みが置いてあった。 美弥が気を失っても離さなかったものらしい。 高耶はそっと包みを手に取ると、ぎこちない手つきで開いていった。 一枚のカードが入っている。そこには『いつもありがとう。大好きなお兄ちゃんへ』と、可愛らしい文字が並んでいた。 中には温かそうな紺のマフラーが入っている。手に取ると、微かな温もりが伝わってきた。 美弥の真心の温もりだと思うと胸が締め付けられる。 マフラーを抱え、高耶は蹲った。 肩が小刻みに震える。熱い雫が頬を濡らし、ささくれ立った冷えた体(こころ)を少しずつ溶かしていくようだった。                   ◆◇◆◇ 美弥の意識が戻ったのは、それから三日後のことだった。 だが襲われた時のことを尋ねてみても、それ自体は朧気に覚えているものの、 犯人のことは一切思い出せないという。 医者は精神的ショックからの、一時的な記憶混乱に陥っているせいだろうと診断した。 高耶はこのまま美弥が忘れたままでいてくれるなら、その方がいいと思う。 あんな記憶はなかったことにしてしまったほうがいい。実際に美弥は無事だったのだから。 犯人に対する怒りは消しようになかったが、高耶は一刻も早く元の生活に戻ることを切に願っていた。 そして頭の精密検査も終え、一週間程度で退院となった。 病院から自宅まではさほど遠い距離でもない。 今日は比較的気温も高めで、雲ひとつない快晴だった。 ふたりは自宅までの道のりを徒歩で帰ることにして、天気のいい空の下、ゆっくりとした足取りで並んで歩いた。 美弥は思った以上に元気そうで、高耶は心底安心していた。 「お兄ちゃん、それ・・・」 不意に美弥に首元を指差され、高耶はああ、と頷く。 美弥がクリスマスプレゼントにくれたマフラーをさっそく首に巻いていたのだ。 「ありがとうな、美弥。すっげー大事にするからな」 高耶が優しく微笑むと、美弥も嬉しそうに笑って頷いた。 「今日は美弥の退院祝いだから、なんでも食べたいもんご馳走してやるぞ。何がいい?」 「ホント?やったぁ!・・・う〜ん、でも今日は、久しぶりにお兄ちゃんの手料理が食べたいな」 「え?そんなんでいいのか?」 「うん。肉じゃが食べたい!」 「よ〜し、分かった!今まで食べた中でどれよりも美味い肉じゃが作ってやるからな!」 じゃれ合いながら兄妹は午後の日差しの中を歩いていく。 高耶は眩しそうに空を見上げた。 柔らかな空気に包まれた優しい時間。こんな穏やかな時間がずっと続けばいい。 (悲しいことも辛いことも、皆オレが背負うから。美弥には笑顔と精一杯の幸福を、いつも与えていてやりたい) 願うことはそれだけ。あの日決意した悲壮な誓いを決して違えたりしない。 これからを生きていくために。 交差点にさしかかり、信号待ちをしている時だった。 ふと向こう側の交差点に目をやった美弥が、いきなり身を硬くした。 どうしたのかと高耶がその方向へ視線を向けると、一人の男が道路脇に停めたタクシーから降りているところだった。 濃紺のスーツに身を包んだ長身な体躯。遠目でもハッキリとイイ男だと分かる。 男はそのまま坂道を上がっていく。坂の上には確か、ここらでは有名な大学があったような。 男はそこへ向かっているようだった。 高耶は美弥を覗き込み、 「あの人がどうかしたのか?」 と怪訝に思い訊ねると、美弥は目を見開き、突然カタカタと震え出した。 「美弥?!どうしたんだ」 「あ・・・」 美弥は震えながら真っ青になっている。明らかに様子がおかしい。 「あの人・・・、見たことある・・・」 「何?」 ぎゅっと高耶の袖を掴んで、美弥は掠れた声を出した。 「あの人・・・、そう、あの時見た・・・っ!」 急に思い出したように美弥は悲鳴を上げた。 その様子に高耶は瞬時に察した。 「まさか、今の奴が!?」 美弥の怯えようは尋常ではない。高耶は再び男の方を見た。 (あいつか・・・・・・?あいつが犯人なのか!?) へたり込みそうになる美弥を抱き起こして、力を込めて抱き締める。 「あいつが・・・美弥を・・・・・・!」 建物に消えていく男の背中を追う高耶の瞳は、憎しみも露にギラギラしていた。 一度は抑えた怒りが倍になって溢れ出す。 あの男が美弥を襲った犯人。 「許さねぇ・・・」 無意識に滑り出した声は高耶のものとは思えないくらいに低く、嗄れていた。 絶対に逃がさない。あの男。 オレが必ずこの手で報復してやる・・・・・・! 男の姿が完全に消えてしまっても、高耶はその場に立ち尽くしたまま、 新たに決意を固めるようにじっと睨み続けている。 握り締めた爪が肌に食い込んだ。だが痛みよりも、男に向ける憎悪が勝った。 憎悪とともに喜びさえ感じる。その事実に眩暈がする・・・。 晴天に一筋の飛行機雲が走る。 直江と高耶。二人が「再会」するのは、桜が舞う春のことだった。

『泡沫の恋』〜プロローグ〜  END

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