ある日の会話(名前)



高耶:なぁ、直江。
直江:はい、何ですか高耶さん。
高耶:う〜ん、やっぱ変だよなぁ・・・
(高耶、何か考え込むように腕を組んで、首をかしげる)
直江:・・・?変?何のことです?
高耶:いや、ほら、オレが“直江”って呼んで、お前が“高耶さん”て、いうところが、さ。
直江:??よく分からないのですが・・・
高耶:いや、だからさ、“直江”って言うのは原名の苗字じゃん?
   でも、“高耶さん”って言うのはサ、現名の名前だろ。しかも、さん付け。
   なんか、変だよなぁって思って。
直江:そうですか?
高耶:まぁ、何となくだけどな。
   でも、そうだなぁ、お前オレの事“景虎”のほうで呼ぶときもあるし。
   それでいったら、やっぱ“信綱”って、呼ぶのか・・・
   信綱・・・う〜ん、なんだか偉そうだ。
   直江のくせに偉そうなのはなぁ。 
直江:・・・あの、高耶さん?
高耶:したら、“義明”か?それもなぁ。“義明さん”って言うのもなんだかなぁ。
   でも、それが一番妥当か?なぁ、お前はどれがいい?
直江:どれって、なんなんですか、突然!
高耶:べっつにぃ。それよりほら、どれがいいんだよ!
   偉そうに聞こえる信綱がいいか?
直江:〜〜直江のままで結構です。
(直江、諦めて、肩を落として、答える。そこにチャイムが鳴る)
高耶:あっ、チャイムだ。オレ出て来るわ。なお・・・義明さんはそこで待ってろ。
直江:・・・直江のままでいいって言ったのに・・・


千秋:ちわぁ。
綾子:おじゃましま〜す。やっぱ、景虎がいるからこの部屋綺麗ねぇ。
   私のところにも来て欲しいわ。
直江:・・・何しに来たんだ?
千秋:何だよ冷たいなぁ。何、何かあったのか?
(千秋、嬉しそうに尋ねる)
綾子:長秀!何であんたはそういう・・・
高耶:・・・千秋、オレはやっぱり、直江は直江って呼ぶ!
   義明さんじゃ、舌かんじまう。
千秋:どんくせぇ。
高耶:どんくさくね―よ。大体な、義明さんって長いだろ!6文字もあるんだからな。
千秋:そう言う問題か?でも、まぁ、長いと言いにくいよなぁ、あの時とか。
高耶:あのとき?
千秋:だから、最中だよ、アレの。
(高耶、一瞬考え込んだ後、顔を真っ赤にする)
高耶:!そっちこそ、そう言う問題じゃねぇ!!
千秋:そう言えばさ、旦那はアレの最中も高耶さんとかて呼んでのか?舌かむんじゃねぇの。
(千秋、高耶の叫び声なんか何のその、からかうように笑う)
直江:・・・お前に言う義務はないな。
高耶:直江の言うとおりだ。どうして千秋なんかにそんな事いわなきゃいけないんだよ!
千秋:・・ふ〜ん、やっぱそうなんだ。
高耶:何がだよ!!大体な、直江はそんな事じゃ舌かんだりしね―の。
   こいつの舌はすげ―器用なんだからな!千秋なんかの拙い舌技とは違うんだよ!
直江:・・・高耶さん、それ意味違います。
高耶:そうだっけ?
綾子:もう!!さっきから聞いてたらあんた達は!!
   女性を前にしているって意識がないでしょう!
千秋:・・・女?どこにいんだよ。
綾子:なっ!失礼ね、こんなにナイスバディーな女性を前にして、何てこと言うのよ!
(口げんかをはじめた二人をよそに、直江は高耶に話し掛ける)
直江:やはり、あなたに変なことを言ったのは長秀なんですね。
高耶:変って、別にたいした事じゃないぜ。この部屋さ表札は“橘 義明”になってるだろ?
   なのに、誰もそっちの名前で呼ばないから、近所の人が不思議に思うんじゃないかなぁって。
直江:別にそんな事気にしないでいいんですよ。
綾子:何々、名前の話?
高耶:うん、そう。
綾子:名前かぁ。私も前から不思議に思ってる事があるのよねぇ。
千秋:お前も?なんなんだよ。
綾子:いや、ほらね。この体の事はとりえず置いといて、
   今まで私は“晴家”で、あんたは“長秀”、景虎は“景虎”で、それに殿がついたり、様がついたりでしょ?
   全部下の名前じゃない?
   なのに、直江だけは苗字なのよねぇ。やっぱ、信綱って言いにくいのかしら。
直江:・・・色部さんだってそうじゃないか。
綾子:でも、色部さんは“さん”付けでしょ。
千秋:確かにな。
直江:じゃぁ、何で色部さんだけ、さん付けなんだ?
高耶:尊敬されているっていう差だろ!
(高耶、嬉しそうに言う)
直江:・・・それは私は信用されていないと。
高耶:さぁなぁ。どうだろうな。普段の自分の行い、振り返ってみたら?
直江:だいたい、もし元の年齢の事を言っているんでしたら、長秀だって、謙信公に仕えていたやつなんですから。
   色部さんとおなじはずでしょう。
綾子:それも尊敬の違いでしょ。ねぇ、景虎。
高耶:確かにな。
千秋:・・・それはこの俺様も尊敬されてないって事か?


―――なんだか、デッドマッチになりそうなので、今回の会話編ここにて打ち切り―――



本当に久しぶりな、会話編です。 内容は、名前。少し前から私の中で大流行です、この話題。 なんだか、呼び方って気になりません? まぁ、私だけかもしれませんが。

五味箱に戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送