703Hit翔華様のリクエスト

『どこから見ても、痴話げんかにしか思えない、けんかをしていて、ラブラブな二人』





The blank which isn't filled up.



「お兄ちゃん!」
怨霊の調伏のため全国を飛び回って、美弥と一緒に過ごしてやれない日々が続いていた。そんな中家に帰ることができた日、美弥に付き合い松本の街に買い物に出ていた。
「あれなんかよくない?」
「そうだな……」
「っ----?」
久しぶりの美弥との時間を楽しんでいると妙な気配を感じた。
「お兄ちゃん?どうしたの?」
高耶の様子に美弥が心配そうに尋ねる。
「いや……なんでも」
美弥を安心させるための言葉を継ごうとした瞬間----
「真由美!!」
すぐ側を歩いていた女性の二人組の内の一人が突然倒れた。
「ドサッ!」
すぐ側を歩いていた高耶は本能的に真由美と呼ばれた女性を抱きとめる。
「大丈夫ですか?」
「真由美!?大丈夫!!」
「だ…いじょうぶ……」
意識を失ったわけではないようで、か細い返事が返ってきた。
「どこかで休んだ方がいい」
「え…ええ」
高耶の言葉に真由美と呼ばれた女性の友人だろうか?が頷いた。
「美弥、悪いけど荷物持ってくれ」
「わかった」
高耶は真由美に肩を貸し、近くの喫茶店へ連れて行く。その後を真由美の連れの女性と美弥が付いていく。
「喫茶店でしばらく休んでいると真由美はだんだん回復したのか、顔色もよくなってきた。
高耶は少し気になることもあり、真由美から話を聞くことができるようになるまで付き添っていた。 「真由美〜やっぱり御祓いしてもらおうよ?ね?」
「和美、なに言ってるの!あれは関係ないわ。今日は偶々体調が悪かっただけよ」
「御祓い?」
普通ならここは「病院に行こう」というところを「御祓い」というのだ。何か心当たりがあるのだろうか?
高耶は先ほどから、真由美に妙な気配が付きまとっているのに気付いていた。
「どう、されたんですか?」
高耶の声に、真由美を心配するあまりその存在を忘れていた和美はハッと高耶の方を見る。
「いえ……」
高耶のことを少し警戒しているふうの真由美に続ける。
「知り合いに寺の坊主がいます。何か力になれることがあるかもしれません。よかったら話してくれませんか?」
「あのっ!」
藁にでもすがりたい和美の方が高耶の話にのってきた。和美は本能で高耶は頼れる、と感じていた。
高耶も「自分が」というより「寺の坊主が」という方が、ここは多少でも信用が高いだろうと直江を引き合いに出す。
「真由美、引っ越して以来悪いことが続くんです」
「引っ越して以来?ですか」
「ちょ!和美!!何変なこと言っているの!?」
真由美が慌てて和美を止める。だが、和美も必死だ。
「絶対あの部屋おかしいって!ね?従姉妹に霊媒師と知り合いの人がいるから御祓いしてもらおうよ?」
「何言ってんの、霊媒師なんていってどうせぼったくりよ」
「そんなことないって、お金とか全然取らないんだよ?お寺の息子さんらしいんだけど……」
和美は周りが見えなくなる質なのか、すでに高耶の存在を忘れている。
「一度、御祓いしてもらおうよ?ものは試しだし、ね?」
「ぅ……」
真由美もどこか不安に思っている部分があるのだろう。和美の説得に耳を貸し始める。
「わかったわ」
いつの間にか霊媒師に御祓いをしてもらう話がまとまっていた。
高耶は高耶で、「お寺の息子の無償で御祓いをする霊媒師」のあたりで、直江に似ているな……などと呑気に聞いていた。
「ぁあ……すみません……」
二人で話を完結してしまった和美と真由美はようやく高耶たちの存在を思い出したのか謝ってきた。
「いえ、構いませんよ……ところで、その霊媒師の方って?」
高耶がもしかして直江のことでは?と、あるはずのない偶然だと胸の内では否定しながらも、和美に尋ねる。
「ああ、宇都宮の方のお寺の方だったと思います」
そこまではよかった。滅多にない偶然だが、宇都宮の寺の息子で霊媒師、とくれば直江の確率が高い。その偶然に驚いくだけだ。しかし、その後だ。
「実はその方、従姉妹のお姉さんの昔の恋人なんです」
そこで高耶の表情が固まる。
「それで、恋人が御祓いできるのよ♪とか話していたので、覚えて……」
和美はまだ話していたが、高耶の耳には入っていなかった。
喉の渇きを覚えながらも確認する。
「それは、光源寺の橘義明さんでは?」
「あっ!そんな名前の方だったと思います……」
「そうですか」
表面上は笑顔で応え、後は「その方なら知人です」とか「本物ですから安心して大丈夫ですよ」とか「早めに連絡取った方が無難ですよ?」とか適当に言って二人と別れた。
美弥は、二人といた間静かに話が終わるのを待っていたが、高耶が二人と別れると後に付いてきた。
「お兄ちゃん……あの人大丈夫かな?」
「大丈夫だろ、あいつに任せとけば」
「……」
美弥はいきなり兄の機嫌が悪くなったのに気付いていた。
「お兄ちゃん……」
高耶は美弥の声の変化に自分の態度の悪さに気付く。
「悪い、美弥」
美弥に安心させるように表情を柔らかくする。
「あの人たちなら大丈夫だろう。俺にはどうしようもないからな」
美弥には自分が上杉景虎で怨霊を討伐する力があるなんて知られるわけにはいかない。それに、先ほどの気配ではすぐにどうこう、というわけではなかったので、遠回しに直江に任せたのだ。
「ほら、まだ見て回るところあるんだろ?」
気分を変えるように買い物の続きを急かす。
「うん!!」


「よっ!景虎」
「千秋……」
軒猿からどうやら東京で怨将が悪さの裏工作をしていると報告を受け、千秋の運転する車に乗るのがいやだった高耶は、東京駅で待ち合わせた。
「晴家は?」
「ねーさんは今日はどうしても外せない用事があるってさ」
「かー!!呑気だねぇ〜」
「まあ、いいじゃないか。今回のはたいしたことなさそうだし」
「ところで直江は?」
いつもならば真っ先に来て景虎の側に張り付いている直江の姿が見えない。
「……」
高耶はムッスと押し黙る。
その様子に、また何かあったな、と気付く千秋であった。
だが、二人の間に首を突っ込んでもろくなことがない。それだけならまだマシで、ヘタしたら巻き添えをくう。触らぬ神に……だな。
「まあ、いいか。んじゃちゃっちゃと片付けようぜ景虎」
「ああ……」


「長秀!!どういうことだ!?」
ホテルのロビーで待っていた千秋は直江を出迎える。
「たいしたケガじゃねーよ!」
千秋は直江の慌てように呆れる。
高耶が怨霊を調伏するとき、飛んできたナイフで2,3針縫うケガをしので、知らせないとあとでうるさいだろうと連絡を取ったら、ちょうど直江が兄の用事で東京に出てきていたので、 あとは直江に押しつけてトンズラしようと呼びつけたのであった。
「たいしたケガじゃなくても----」
「うるせー!!」
長くなりそうな文句を強引に打ち切らせ、部屋の鍵を押しつけ、トッとと去る。
「早く景虎のとこ行きやがれ!!」
千秋の罵声にハッと我に返った直江は急いで高耶のいる部屋に向かう。


「高耶さん!大丈夫ですか!?」
直江がもどかしく部屋に入ると、高耶は着替えを済ませベットに入ろうとしていた。
「直江……」
高耶が振り向くが、その眼差しは冷たかった。
「た…かや…さん?」
「何しに来たんだ?直江」
「あなたがケガをしたと聞いて」
「それで?別段心配するほどのケガじゃない」
あまりにも素っ気ない高耶の様子に、何か不機嫌であることが知れる。
だが、身に覚えのない直江にとって戸惑うだけだ。
「どうしたのですか?」
聞く直江に高耶はムスッとして応えない。
「何を怒っているのですか?」
状況の見えない直江は戸惑うばかりだ。
だが説明もなしにあたられる直江もだんだんムカムカしてくる。理由もわからず八つ当たりのような態度をとられているのだ。当たり前といえば当たり前か……
「怒ってやしない」
高耶もわかっている。これがただの八つ当たりだと。直江に過去の女がいるのは分かり切ったことだ。だが、なぜそのことにこれほどむかつくのか自分でもよく解っていない。過去の女に嫉妬しているのか、それとも自分は直江しか知らないのに……という男としてのプライドか。
「話してくれないと何を怒っているのかわかりません」
「怒ってないっていっているだろ!!」
「それのどこが怒っていないって言うんですか……」
余裕をのぞかせて呆れたように言う直江に、高耶はさらに頭に来る。
「うるさい!うるさい!!お前には関係ない!!!お前はどこかで女でも引っ掛けていればいいだろ!?」
「高耶さん!!」
直江もあまりの言いように頭に来る。
「何を怒っているんですか!?」
高耶の腕を掴み顔を覗き込む。
「お前は俺が見つからなかった間、他の女とよろしくやっていたんだろ?」
高耶は挑発的に言う。
「どういうことですか?」
どういう意図で高耶がそのような話を持ち出してきたのか……
「最近、昔の恋人が従姉妹の友人の除霊を頼んだろ?」
「え…ええ……なぜそれをあなたが?」
突然の話題転換に付いていけない。それになぜそのことを高耶が知っているのか。
「そんなことはどうでもいい!!お前にとって景虎(オレ)は恋人を作れる程度の存在ってことだろ!?」
「それで嫉妬しているんですか?」
直江は高耶の言葉に笑いがこぼれる。
まるで子供の言い分だ。
高耶も直江が自分を見つけるまでの28年間どう過ごしていたかを責めることはできないと頭では解っている。
だが、直江の全ては自分のものだと心が煮えたぎる。
それを直江は呆れた物言いをし、むかつきが積もる。
「なっ!?……そんなんじゃねーよ!!!」
直江は直江で高耶の嫉妬に嬉しくなる。
嫉妬は独占欲の現れだから。
「確かに、あなたが見つからない28年間には恋人もいましたよ。でもそれは、あなたがいなかったからこそです。あなたがいない空白を何かで埋めようと足掻いていただけです。そのうち、それも無駄だと気付いてからは恋人と呼べる存在なんか作ってませんよ」
「あなただけです」
直江が囁く。
「他の誰かではあなたがいない空白は埋めることができませんでした」
なおも続ける。
「男も女も、この世界中の誰でもあなたの代わりになる人間なんて存在しない」
あなたは私があなたのいない間、生きちゃいなかったことを知らない」
「あなたなしでは生きていられない私を知っているくせに、なせ不安になるの?」
言葉を継ぐ直江に高耶も、胸の中のモヤモヤが少しずつ消えていくのを感じる。
「信じてください。私にはあなたしかいない……」
「直…江」
直江が高耶を抱きしめ、唇に触れるか屡触れないかのキスをする。
それがだんだん深くなり、次第に二人はベットに重なり合っていく――――


「高耶さん……大丈夫ですか?」
「……ああ……」
情交のあと、二人一つの狭いベットで抱き合っていると、先ほどの直江のセリフで気になった点が浮かんできた。
「そういえばお前さっき『男も女も』って言ったよな……?」
いいながら何かを感じ取る。 「まさかお前!?」
高耶は飛び起きて上から直江の顔を見下ろす。
「何のことですか?」
後ろ暗いことがある直江は、とぼけようとするが、長年の付き合いから高耶にはわかってしまう。
「おまっ!お前サイテーだ!!」
高耶はいっしょに寝ていたはずのベットから直江を叩き出すと、自分もベットから抜け出し、手早く服を着、ホテルの部屋から出ていこうとする。
「高耶さん!!待ってください!!!」
追いすがる直江に高耶は一瞥をくれ、言葉を叩き付ける。
「知るか!!!いいか!しばらく俺の前に顔出すな!!!」
勢いよくドアを閉めると、走って階段を駆け降りホテルを飛び出した。
直江も慌てて服を身につけ高耶を追いかけるがその頃には高耶の姿は跡形もなかった。







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コメント
すみません(泣)長くなってしまいました。
美弥ちゃん出張っているのは渡辺の趣味です。そりゃもう、か〜な〜り☆
美弥ちゃんと一緒にいる高耶さんってかなり好きなので。兄バカじゃないですか。高耶さんって。こんなお兄ちゃん欲しかったな☆って。
で、「どこから見ても、痴話喧嘩にしかみえない……」玉砕しました(爆死)
ごめんなさい(泣)最後の方は痴話喧嘩ってなに?な心境でした。わけわかんない……
こんなはずではなかったのに……(←殴)
それと、どこまでOKでした?やっぱキスまでかな〜と思いまして。
ソフトで軽い感じが目標(爆笑)だったのでvv
本番は人様に差し上げるようなものに書く度胸がありませんでした(小心者)。
渡辺のヘッポコ小説の本番なんて……公害ものですからねぇ。
最後は、そんな落ちつけるか?と思いながらも書いてしまいました。
絶対に直江ならば経験があるはずだと信じているものですから……(所詮は駄犬)
これでも渡辺、直江好きです。ええ、かなり。ただ高耶さんといる直江は、……おちょくりたくなるかも……(爆)
がんばってかいたわりにはヘッポコすぎで……ただのお目汚し!?って感じですね(泣)
こんなものでよかったらもらってやってください。(もちろん返品不可←迷惑)
文章力なさずぎ……
ええ……と、それでは最後にサイトに足を運んでくださってありがとうございます♪


コメント返し
返品なんか、しませんよぉvv返せといわれても返しません(笑)
この痴話げんか、見ててホワホワで、「あぁ、仲いいわぁ」と、うっとり(?)しながら読ませてもらいました。
本当にありがとうございます。
どこまでOKかと、気にしておられますが、うちの裏を見ての通り、どこまででもOKですよ♪
朱南さまの本番ならぜんぜんいいですよ!!(笑)

ではでは、本当にありがとうございました。
これからも遊びに行かせてもらいますので、よろしくおねがいします(^^ゞ





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