morning time |
うずうず、うずうず。 高耶はじれったく高鳴る胸を何とか押さえ込みながら、直江の寝顔を見つめていた。 朝5時30分。 普段なら絶対に目が覚めないような時間。 けれど高耶は、すでにすっきりと目覚めていた。 そして、普段とは逆に直江の方がいまだ夢の中の住人だ。 珍しいこともあるものだと。高耶は思わず、笑みを零してしまう。 昔、直江は一切自分の休んでいる所を見せようとはしなかった。それも今ではまだましになって来たが、それでもあまりまじまじと直江が寝ているところを見たことはない。一緒に寝れば自然躰を重ねるから、そうなると高耶が気がつかずに気を失っていることも多々あり、そうなれば朝も直江よりも早く目覚められるはずもない。 結局いつだって、高耶の方が直江の暖かな琥珀色の瞳に護られるようにして眠りについているのだ。 もちろんそれに不満があるわけではないが、それでも直江の寝顔を自分だって、見つめてみたい。 直江が自分にくれるような優しくて、深く暖かな眼差しで、彼の眠りを護ってみたいと思う。 だって、直江は誰よりも好きな相手だから。いつまでだって一緒にいたいと願っているから。 だから自分にだって、彼の安らぎを守る権利があるはずだ。 少しだけ意気込んでそう思ってみて、それからぱふっと枕に沈没した。 どんなに言葉で飾ってみても結局。ようは、直江の寝顔を見てみたいだけ。 寝起きで少しだけ寝ぼけているであろう直江におはようのキスを、たまにはこちらからしてみたいだけ。 けれど、そんな気持ちが大切なのだ。 日常の、ほんの些細なことでぽっと胸の奥が温まるような想い。 それこそが、いつだって二人の間の愛を護ってくれている。 この先400年だってもつのは掛け値なしに、間違いなし。暖かな気持ちなら互いに幾らやり取りしたって、なくならない自身はある。無尽蔵で、太陽の光のようにいつだって、二人を照らしてくれている。 ――早く起きないかな・・・ 寝顔を見てみたいと思っていたのに、もう直江の笑顔を見たいと思ってしまう。 それでも、自分から彼の安らぎを壊すようなことはしたくないから、大人しく、男の体温を感じながら、その時を待つ。 男が起きてきたら、遅いと少し拗ねたように後から目隠しをしながら、膨れてみるのもいいかもしれない。 そうしたらきっと、直江は困ったように、でも嬉しそうに笑ってくれるに違いない。 そしてそれから、優しいキスを交わして、ゆっくりと髪を指で梳いてくれる。 優しい想像は、暖かな眠りへと高耶を誘う。 再び眠りに落ちた高耶を優しく起こすのは、きっと・・・ ゆったりとした朝の時間を二人で。 「どうして、お前のほうが早く起きてるんだよ」 「高耶さん?」 「しかも、もう着替えてるし。今日はオレのほうが先に起きたはずなのに」 「そうなんですか?そうしたら今日のキスはあなたからですね」 「!!」 「ほら、その手を離して、あなたとキスさせて、ね?」 |
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